鶏口牛後の心構え

IT業界の著名人たちは、皆さん生粋の起業家です。親の代から実業家で、学生時代にすでに起業を決意していた、人生の目標を記したノートをずっと書き連ねている、などの逸話をみなさんお持ちです。

高校教師(体育)の息子として育った私には、子供の頃に起業という発想がなく、学生時代にも具体的な実業家となる夢はありませんでした。世の中のほとんどの会社員の人たちも同様だと思います。

そんな私ですが、数々のベンチャー企業で働き、そして、その会社の成長フェーズにおいて、最も重要なプロジェクトや役割に携わってきた経験は豊富であると自負しています。

それは、社会人以降、常に意識している四字熟語のおかげだと感じています。


「鶏口牛後」 (大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって重んじられる方が良いということ。新明解四字熟語辞典)


ソフトウェアの時代が来ると信じ、最初に選んだ会社、当時はベンチャーと言われていたCSKではトッププログラマーとなり、AOL Japanでは社運がかかったプロジェクトのプロマネを担いました。そして今は大企業となったGoogleでは、日本ではまだ無名で検索シェアではYahoo!に圧倒的に負けていた時代に入社し、検索エンジン及び広告プラットフォームの戦略的事業提携の開拓によって、日本での成長に貢献し、執行役員にもなれました。

鶏口牛後、すなわち、大企業にぶら下がって安定を求めるよりも、ベンチャー企業において、欠かせない重要な役割を担うという意識で、全力で仕事に取り組んできたお陰だと思っています。


「会社員なんて所詮は歯車か」と考えるのではなく、「自分はこの会社を成長させるために欠かせない、偉大な金の歯車だ」と考えて仕事に取り組むと、実力が付くことはもちろんのこと、運や縁を呼び寄せ、未来への扉がぐんと開けます。

企業人は、能力よりも正しい考え方と努力の継続こそが重要だと思います。ベンチャー魂に溢れる挑戦者、戦う鶏のクチバシになりましょう!


日本は少子高齢化の課題に直面する小さな島国です。そして、これまで長い経済の停滞期が続きました。しかし、2024年は過去最高の東証株価でスタートし、明るい兆しがあります。その日本を鶏と例えるならば、ベンチャー企業こそが、そのクチバシを担うべきではないでしょうか。最近のITベンチャー企業たちには日本の未来を変える力と機会があると思います。


もう一つ、私が好きなガンジーの名言を記します。

You must be the change you want to see.
「あなたがこの世で見たいと願う変化に、あなた自身がなりなさい。」

自分自身を挑戦者に変え、日本に変革をもたらし、世界に挑みましょう!

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